エリン・ブロッコビッチ/実話。正義は勝つと教えてくれた素敵な女性!

エリン・ブゴコビッチ

カリフォルニア州モハベ砂漠の小さな町。エリン(ジュリア・ロバーツ)は元ミス・ウィチタの美貌ながら、離婚歴2回、3人の子持ちながら無職。職探しに出て採用面接の帰り、追突事故に巻き込まれた彼女は、引退を控えた弁護士エド(アルバート・フィニー)に裁判の弁護を依頼するも和解金を取り損ねた。職もなく貯金も尽きかけた彼女はエドの法律事務所へ押しかけ、強引に彼のアシスタントとして働き始める。書類整理中、彼女は不審なファイルを見つける。不動産売却の書類になぜか血液検査の結果が添付されていたのだ。孤軍奮闘して調査した結果、大企業の工場が有害物質を垂れ流しにしている事実を突き止める。病に苦しむ住民たちを目の当たりにしたエリンは、気乗りしない住民たちを訴訟に持ち込むよう説得に回る。その後及び腰だったエドも本格的にその問題を担当。また彼女の隣りに住むバイク野郎ジョージ(アーロン・エッカート)が3人の子供の面倒を見てくれる主夫として私生活面をサポート。地道な活動が住民たちの共感を呼び、大企業と交渉の場を持つまでに。ついには執念で600人以上もの署名を集め、全米史上最高の和解金350億円を勝ち取った。大きくなった法律事務所で窓際の個室を与えられたエリンはエドから破格のボーナスを受け取るのだった。

MovieWalkerより。

監督 スティーヴン・ソダーバーグ
主な俳優陣 ジュリア・ロバーツ/アルバート・フィーニー/
アーロン・エッカート
公開日 2000年
オススメ度
アメリカ
公式サイト  無し

エリン・ブロコビッチの感想

この映画を観終わって、「清々しい」というか、とてもハッピーな気持ちになった。

公式サイトの「あら筋」にあるように、シングルマザーで3人の子持ち、そしてお金もスキルもない女性が孤軍奮闘して、最終的に全米最高額の和解金を勝ち取る事が、いかにも「爽快」という感じで小気味いいのはもちろんだけど、それよりも、「やっぱり正義は勝つんだ!」と確信できた事に尽きる。

そして何よりも、エリン・ブロコビッチのキャラクターが最高なのだ!

言葉使いも悪く、ミニスカートにピンヒールという格好で弁護士事務所で働き、同僚からは煙たがられるけれど「ハートは誰よりも熱く」、一生懸命な姿がとにかく共感できた。

そう、とにかく一生懸命なのだ。

約600人の住民達の思いに寄り添い、一人ひとりを説得して回るシーンでは、「弁護士エリート」という目線ではなく、住民達の置かれている現状を自分の事のように考え、最優先で取り組む姿勢は共感をせずにはいられない。

「本当に素人でもこんな凄い事を成し遂げられるの?」
「やっぱり彼女が特別だったからでは?」
「彼女は運が良いのでは?」

と思いそうになるが、映画全般で描かれているエリン・ブロコビッチを見る限り、本当にそこには「彼女には実はこんなスキルがありました」、「彼女には実はコネがありました」というものは一切無く、「おかしい事はおかしい!」という「信念と情熱」で乗り切ったという、ごくごく普通の、、、いや、案外こういった思いを忘れがちな今、本当にこういった気持ちを最後まで持ち続けて諦めずに行動したからこそ住民の信頼を得て勝ち取った勝利だったんだな。。。と関心させられる。

「彼らの為に何とかしないと。。。」という思いに駆られているであろうシーンで魅せるジュリア・ロバーツの表情が好きだった。

ところでと一人のシングルマザーの活躍を描いた実話だということで、かなり話題だったけれど、正直言うと、当時は一切興味を持たなかった。

何せ結論がわかっているので、「いつか観ればいいかな」くらいだったし、ジュリア・ロバーツくらいの女優になると、「何を観てもジュリア・ロバーツだ!」という感じがしそうで興味をそそらなかった。

でも、今だに雑誌で映画特集を組んだ際には「エリン・ブロコビッチ」は逞しい女性像の鑑として推薦映画に必ずと言っていいほど取り上げられているし、「逞しい女性になりたい!」とか、「カッコイイ女性にあこがれる」とか、個人的いは一切そういう思いは頂いた事無いけれど、そんなに「名画」と言われるなら観てみようかな。。。そして「どんな女性がどんな活躍振りを発揮したのだろう?」と自然に思い始め、そろそろ観てみようかな〜と。。。

結果、早く観ておけば良かった!

監督のスティーヴン・ソダーバーグが言っているようにテンポ感が良く、ジュリア・ロバーツ扮するエリン・ブロコビッチの奮闘振りが本当に良く描けていて、中だるみは一切なかった。

ジュリア・ロバーツがエリン・ブロコビッチを演じる事は最初から決まっていたらしいけど、スティーヴン・ソダーバーグも納得の配役だったらしい。

確かにピッタリだ! ジュリア・ロバーツが出演している映画は「プリティ・ウーマン」他、意識してないけれど案外観ている。

でも、どれも特にピンと来たものが無かったけれど、この「エリン・ブロコビッチ」を観て、ジュリア・ロバーツがこの映画で数々の賞を受賞し、「代表作」となっている事に本当に納得した。

一緒に戦う弁護士の「エド」役のアルバート・フィニーも良かった!

そして。。。彼女を影で支えるバイク野郎の「ジョージアーロン・エッカート)というキャラクターはとてもクールで最高!

そういえば映画で、裁判の難しさを知っているエドから

「法的根拠はあるのか?」
「毒物や地質学の専門家に払う分はどうするのか?」

と問われるシーンで、

「直感よ!」
「私は無学だけど、ものの善悪はつく!」

と応えるシーンがある。

このセリフが個人的にはたまらない!

「普通の人」が何かを成し遂げて映画になったり、話題になる事は多いけれど、エリン・ブロコビッチのキャラクターと、成し遂げた内容とのギャップが大きい事、そして繰り返しになるけど、やっぱり「ものの善悪」をベースにした「信念と情熱」と「行動すること」の大切さが、何か。。。突き動かしてくれる感じがして本当に観て良かった。

DVDでは製作総指揮を務めたカーラ・サントス・シャンバーグの言葉が印象的だった。

日々の生活の中で何か疑問を感じたら、自身の勘を信じて納得できなければ追求すべきよ。 今回の場合は、権力もコネも無く孤立無援に近い立場の女性が間違った事は正さなければならないと強く感じたから、いい結果が出た。
これは、無力な者でも大事を成せるというメッセージよ。

残念なところ

映画に関しては特に、残念なところは無かった。

ただ、実はこの映画で描かれているようなジョージというキャラクターは本来は存在せず、実際のところは、主夫役をかって出た男性は彼女の給料が上がると付きまとい、かなり面倒な存在だったという事が残念だった。。。

ジョージみたいなバイク野郎がエリンを支えていた。。。というのがいいのに。。。

その他いろいろ

◆ジュリア・ロバーツの演技は絶賛され様々な賞を受賞!

  • 第73回アカデミー賞
  • ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ドラマ部門)
  • 英国アカデミー賞 主演女優賞
  • ナショナル・ボード・オブ・レビュー 主演女優賞
  • 全米映画俳優組合賞
  • ロサンゼルス映画批評家協会賞女優賞

◆DVDの特典映像で、エリン・ブロコビッチ本人がインタビューに応えているのだけど、いかにも真が強そうで堂々としていた。

◆今も精力的に環境問題とかに取り組んでいたHPも持っている。

◆映画ではなく、エリン・ブロコビッチのプライベートで残念な事が起きた。。。2013年6月7日(アメリカ時間)、彼女は飲酒してモーターボートを操縦したとして逮捕されている。

※ Top画像はMovieWalkerより。

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